A4用紙に小さい文字でなんとか収めた長文でしたが、内容を要約するとこうです。
「かつて女子小学生の将来なりたい職業ベスト10が今や見る影もありません。トリマーは減少しています。理由は一般的なトリミングサロンの利益が激安で有名な理容チェーンの半分で、過酷な労働環境です。トリマーは専門学校卒なので、最低でも短大卒の一般OLと同じ給料が必要だと思います。今後、私はトリマーの社会的地位の向上をめざします。」
値上げの仕方には2通りの方法があります。
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消費者心理6つのトリガーのひとつ、『一貫性の心理』を用いた「フット・イン・ザ・ドア」(段階的要請法)です。
その名の通り、「足をまずドアの中に入れる」例えは悪いかもしれませんが、ドラマで刑事さんが、容疑者の家に行ってやるアレです。
まずは小さな頼みごとを承諾させてから、徐々に大きな頼みごとを承諾させていくといった手法です。
例えば子供がスマホを欲しいと言う。
「ねぇねぇお父さん、スマホ買って。安いのでいいから」
「しょうがないなぁ、もう年頃だからな、格安スマホ買ってやるよ」
2年後
「ねぇねぇお父さん、もう買い替えの時期なんだけど、みんなiPhoneもってるんだ。iPhone買って!」
「みんなiPhoneなのか?しょうがないなぁ」
成功です!
*親は少しずつでも子供にいい思いをさせてあげたいと思うものです。
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もうひとつは、その逆の『返報性の心理』を用いた「ドア・イン・ザ・フェイス」です。
「すでにドアの中に顔を入れてる!」
本命の要求を通すために、まず過大な要求を提示し、相手に断られたら小さな(本命の)要求を出す方法です。
「ねぇねぇお父さん、スマホ買って。iPhoneがいいな」
「ダメ!」
「じゃぁ、格安スマホでいいから」
「しょうがないなぁ、安いのなら買ってやるよ」
成功です!
*親はスマホを買ってあげないことが教育のポリシーだったとしても、子供に少しは申し訳ない気持ちがあるものです。
*この例とは別にお客様が差し入れを下さるのも「いつもうちの子を大切にしてくれる」と言うお返しですね。これも「返報性」です。しかし、お客様がこんなことして下さる職業はなかなかないです。ほんとありがたいですね。
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基本的には「フット・イン・ザ・ドア」をお薦めします。
段階的に値上げして行きます。
セミナーで「値上げできない」というオーナーさんに理由を訊きました。
ほとんどの人が「失客が怖い」と言う理由です。
しかし「フット・イン・ザ・ドア」(少しずつ値上げ)の場合、失客はあまり影響なく行えます。
逆に今とは別に高級志向のお店を出したり、一気に高級店に模様替えをする場合などは、「ドア・イン・ザ・フェイス」を用います。
「ドア・イン・ザ・フェイス」(いきなり大きな値上げ)の場合、失客は必ずと言っていいほど起こります。
いや、むしろ失客を故意に誘発させるために「ドア・イン・ザ・フェイス」を行うのです。
つまり高級店にリニューアル時のように、「上客しか必要ない」と覚悟した時です。
これを「スキミング」と言います。
「スキミング」って、最近ではクレジットカード詐欺のことを一般的に言いますが、スキミングは『すくう』という意味の『skim』が元で、『コーヒーの上澄みをスプーンですくう』と同じような意味です。
しかし、新規客獲得率は下げたくない。
また既存客の失客をある程度防ぎたい場合使うのがクーポン発行です。これを「オファーする」と言います。
大きな割引クーポンから段階的に小さな割引クーポンに引き下げていきます。
最終的にはクーポンなしで集客出来るように別の角度から攻めます。
(サラッと流しましたが、ここが大問題ですよね、機会があれば詳細をお話します。)
もし失客率(既存客の失客と値上げ前の料金で新規獲得するではずだった予測値が達成できない数値)が大
きかったとしても、値上げしたことによって売上が以前とトントンなら、変動費(シャンプー剤・水道光熱
費等)の減少で利益はアップします。
ぜひ、この理論を活用して、利益アップ分をトリマーの給与アップに回して欲しいのです。
業界全体が良くなる一番の方法だと思うのです。
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